病に侵されていることを予想もしない展開で聞いた時から、彼女は自分のことをそのように表現されていました。あえて自分の病状について聴くことを遠ざけながら、壊れた心の拠り所を探していたようにも感じながら向き合う日々は、ただただ彼女の想いを聴くことでした。

自宅で最期の時間を過ごす日々には様々な辛さと向き合わなければならない時間もあり、その一瞬一瞬を彼女自身が自分の中に落とし込んでいたように感じます。その支えは…いつも傍らに寄り添う『家族』だったのではないかと…家だからこそ妻として母として、そして彼女自身としての時間が紡がれていたように思います。

彼女が旅立ち、いつもそばで看ていたご家族のもとへお参り兼ねて伺いました。

彼女と最期の時間を家で過ごしたことには満足の言葉が聴かれましたが、それと同時に後悔のお気持ちも溢れていました…そしてご自身のお気持ちを言葉にするのは今は難しい…とも。一日でも長く生きて欲しいと願えば願うほど、死を意識した時間がたくさんあり、身近な方との死別を目の当たりにすればそれは当然のお気持ちと思います。

死は特別な出来事のようでいて生活の中にごく身近にあります。生と死はひとつのつながりであり、切っても切れない関係です。
こうしてご家族とつながりを感じ合い、語り合い、支え合うことが、いつの日かご家族の生きる糧になることを願わずにはいられない…そしてこうして私たちが頂いたたくさんのGIFTをまたどこかで恩返ししなくては…と私自身に問いかける時間にもなるのです…。

改めて、彼女と彼女の家族に…
『ありがとうございました』

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