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🏠📝リビング・ウィルと最期の乾杯🍻

    彼女との出会いは、秋深まる頃でした。自宅で最期を過ごしたいと、お手伝いすることになりました。彼女が書き記した『リビング・ウィル』を見せて頂き、なんて気丈な方なんだろうと驚きました。

    リビング・ウィルとは、人生の最終段階における医療・ケアについての事前に意思表示しておく文章のことを言います。リビング・ウィルが作用する状況は重く暗く複雑な局面でもあり、宣言するもしないも個人の自由です。健康な時に宣言したとしても心境の変化があればいつでも変更できるとはいえ、渦中の沼にハマると達観できなくて当たり前です。誰しも終末期は初めての経験ですから。

    彼女の文章には延命処置は不要。苦痛を和らげる処置は最大限に実施して欲しい。そのための麻薬などの副作用で死期が早まったとしても一向に構わない。要望を忠実に果たして下さった方々には深く感謝を申し上げると共に行為の責任は自分自身にある事とも附記されていました。実際にそのリビング・ウィルが最期まで自分らしく尊厳を保って生ききることへの羅針盤となり、彼女の側に寄り添うご家族の救いとなりました。行き場のない気持ちをじっと耐えているご家族に向き合う時にも、彼女の宣言通りにケアされていることを共感できることが、私たち自身の救いにもなりました。

    いよいよ、彼女は昼も夜も深い眠りに入りました。ご主人は旅立ちが近いことを感じるので、眠れない夜が続きました。「ご主人が寝ないと夢の中でお二人が逢えないんじゃないですか。」そんな言葉を私が呟くと、「それじゃあ、今晩は少しビールを飲んで休もうかな。彼女はお酒が強くはなかったんだけど、いつも付き合ってくれたんだ。」それではいつものように彼女にお付き合いしてもらいながら、二人三脚で頑張られて今日の日を迎えられたことに乾杯しましょう!ビールをコップにつぎ、眠っている彼女の手を添えながら、ベッドサイドで乾杯。ビールを浸したスポンジを口の中に運び、いつもの様にお付き合いを。ご主人はビール1缶を空けるくらいでは語り尽くせないでしょうが、ポツリポツリと愛情に満ち溢れた日々を語ってくださいました。

    「あー、美味しかった。」ご主人の言葉、
    忘れられないな。
    やはり、最期の夜の出来事でした。

    人と人との関わりの中で
    自然と化学反応が起きて、
    奇跡的な瞬間が不思議とやってくるのです。
    やはり与えられて生かされているんだなぁと。

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