Y先生はずいぶん寝て過ごす時間が長くなりました。たくさんのおしゃべりも懐かしく感じます。

先生なんて、ただ先に生まれただけ。

その瞬間を生きる彼女の言葉は
忖度や虚栄やプライドが
馬鹿らしく思えるくらいに
いつもストレートに心に響きます。
記憶が流れてしまうからこそ
直感で綴られる言葉は
かけがえのないものに感じます。
わたしのボソッとした愚痴にだって
「上手になんてできなくていい。
きっと気持ちが伝わったはずだから。」

こうして寝たきりになってしまっても
Y先生は先生のまま
その尊厳はおうちの力なのです。
先生が嫌がっていた
「お山（施設）には行きたくない」
そうですよね
先生らしく居られるのは
この想い出がたくさん詰まった
この家だけ

時々目を覚ますと夢の中で
「生徒たちに会っているのよ」
よかった
大好きな生徒たちと過ごせて

わかっているのです
Y先生
もうすぐ旅立ちのとき
ただただ寂しい
まだ恩返しも済んでないのに
きっと宿題を与えるつもりなのね
喜んで受け取りますよ
ずっと、ずーっと
これからも私たちの先生なのだから

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